制作日誌1

制作日誌です。

これまでどれだけの時間をかけて、いつどこで何をして来たのか。

きちんと記しておかないと忘れてしまいそうなので、記録しておくことにします。

素人集団が如何にアタフタしているのかを、赤裸々にご覧頂くのも一興かと思いまして。

 

特に今は、日々刻々と世間の状況が変わっていく中で、改めて演劇というものが、いかに多くの要素が複雑に関わって出来上がっているのかということ、それだけに環境に左右されやすい繊細なコンテンツであるのだということを、身を以て感じています。

 

今回は3月までを簡単にまとめておきます。

読んだところで特に得られるものはありませんが、折角なので、宜しければお付き合いください。

 

 

2019年

9月

かねてより念願だった、演劇を作るためのユニットを正式に組もうということになる。

安倍、ヒロカワの二人で会議。

「HABTEL」という名前が決まる。

 

11月

一作目の構想が練り上がる。

当初の想定は150〜200ぐらいの劇場。大きく出た。

出たいと言ってくれる人が多いらしく、ありがたい。

 

12月

劇場探し。

一番難しいところ。

本当はこの作業を一番始めにしなければならない……

 

2020年

1月

やっと劇場が決まる。

年間スケジュールを組む。

去年に構想を練っていた内容は保留にする。

この劇場にふさわしい、新しい作品の構想を立て始める。

 

2月

出演者の候補を協議。

安倍、他出演予定者の出演する公演が近いため、日々稽古に忙殺されている。

新型コロナウイルスの影響が及び始め、全国で舞台公演の中止との報せが相次いで届く。

 

3月

1日から正式に第0回公演「VACANT」を発表。

HPを開設。

仮フライヤーをリリースする。

安倍、他出演予定者の出演する公演は、無観客上演となった。

挟み込みをお願いする予定だったフライヤーも配ることが出来ず、大量の在庫が手元に残る。

心苦しい。それでも上演に踏み切った判断に敬意を表する。

それを急遽ライブ配信という形でリアルタイムに「観る」ことができるようにして下さったご尽力に、感謝してもしきれない。

 

3月15日

HABTEL内で会議。

出演者が全て決定する。

この時点で、稽古で利用する予定だった兵庫県内の公民館等がほぼ全て閉鎖になっている。

感染者数は今後も増えるだろう。

状況は、2月に想定していたよりもずっと悪くなっている。

 

3月22日

出演者全員が集まり、第0回公演「VACANT」の説明会を行う。

HABTELの活動指針、「VACANT」の作品概要など。

この日は感染者数の多い大阪〜兵庫間の行き来に自粛要請が出るなどしている。

全員がマスクだが、目にはやる気が満ちている。

はやく稽古がしたい。

誰ともなくこぼす声に、皆が頷く。

 

3月29日

HABTEL内で会議。

4月、更に5月までの大手公演予定が、毎日消えていく。

6月はずいぶん先だと思っていたが、中止の“波”はもうそこまで来ている。

客席50にも満たない小劇場も、全くもって例外ではない。

上演時の感染リスクももちろんだが、それよりもまず稽古を行ってもよいものかどうか。

当初の予定通りの公演は恐らく行えない。

だが、公演中止の選択肢はまだ選びたくない。

より感染リスクを下げた方法を練り直す。

そして改めて、出演者の皆さんの参加の意思を伺う。

何よりも自身の安全を守る行動を優先して頂くことを願う。

 

 

 

 

制作日誌2につづく。

 

 

ヒロカワ